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下高田白山(しもたかだはくさん)遺跡

平成31年2月 調査
調査場所
富岡市妙義町地内
調査期間
平成31年1月1日~平成31年3月31日
調査原因
平成30年度(一)宇田磯部停車場線 補助公共 社会資本総合整備(広域・新潟長野)事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
富岡土木事務所
主な時代
縄文・弥生・古代・近世
遺跡の内容
2月の調査は、竪穴建物跡の調査を中心に行い、縄文時代後期の竪穴建物跡を4棟、弥生時代中期の竪穴建物跡を1棟、古墳時代後期の竪穴建物跡を4棟、平安時代の竪穴建物跡を26棟、合計35棟の調査を行いました。弥生時代中期の竪穴建物跡からは、壺が発見されました(写真2)。古墳時代と平安時代の竪穴建物跡の壁には、調理の施設としての竈(カマド)が東壁または南壁の中央部に備えてありました。壊れた竈の内部やその周囲からは、使用されていた甕(かめ)などの土器が出土しました(写真3)。また竪穴建物跡では、一般的に見られる4本の柱穴跡が無く、壁の直下には、壁周溝(へきしゅうこう)と呼ばれる溝が掘られています(写真4)。屋内に柱を立てない竪穴建物の構造、特に屋根をどのように葺いたのかなど、多くの疑問も残ります。住居の構造解明を含めて、今後の調査を進めていきます。
連絡先
公益財団法人 群馬県埋蔵文化財調査事業団 0279‐52‐2511(代)
写真1 第30・31号竪穴建物跡調査状況
写真2 出土した弥生時代中期の土器
写真3 カマド部分出土の平安時代の土器
写真4 第21号竪穴建物跡掘方全景