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T007(てぃーぜろぜろなな)遺跡
平成30年9月 調査
富岡市後賀地内
平成30年9月1日~平成31年1月31日
平成30年度 社会資本総合整備(広域・長野)(一)下高尾小幡線庭谷工区に伴う埋蔵文化財の発掘
群馬県富岡土木事務所
縄文・弥生・古墳
T007遺跡は、富岡市後賀地内にあり、鏑川の左岸に立地しています(写真1)。昨年度は、調査区を1~3区に分割し古墳群を確認しました。今月から重機による埋め土除去作業、表土掘削作業を行い、古墳の調査を再開しました。3区8号墳は、後世の削平によって大部分を失っていましたが、主体部の一部は残存していました(写真2)。主体部は、おおよそ南北に主軸を採り南側に開口する截石造りの横穴式石室と考えられます。玄室部西壁には、長さ2m程で凝灰岩製截石の側壁が残されており、南側には玄門柱に使用したと思われる石材が玄室内側に倒れた状態で出土しましたが、羨道の側壁は失われていました。周溝は、幅2m程の円形状を呈すると推定され、石室の北側で周溝の一部が発見されています。埋没土から土器片とともに崩落した葺石を確認しました(写真3・4)。そのほか、1区北端部では、2号墳の周溝の一部を確認しました。主体部は現道部分にあったと推定され、周溝の南側が1区調査区内で確認できると考えられます。2区南端部の調査では、表土掘削後に精査したところ、遺構や遺物の出土はありませんでした。今後も引き続き古墳の調査を行う予定です。
T007遺跡調査事務所 070-2655-7361