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石川原(いしかわら)遺跡

平成30年10月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原湯地内
調査期間
平成30年4月1日から平成30年12月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・古代・近世
遺跡の内容
10月の調査では、7区5面(縄文)の調査を行いました。 調査区西側では、新たに竪穴建物3棟が確認されました。時期は後期後半と考えられ、建物の形態は不整な楕円形を呈しています。うち1棟からは、動物の頭の形を模した石器が出土しました(写真1)。これは石棒あるいは石刀の頭部で、イノシシに似せたと考えられますが、現在調査中です。別の竪穴建物からは、ヒスイ製の勾玉が出土しました。大きさは4cm程で、文様が施されています(写真2)。両遺物は、晩期の土器の出土した建物の上面から出土していることから、晩期の可能性もあります。
調査区の北側では、1号水場遺構とトチ塚、配石群の調査を中心に行いました。1号水場遺構では、堅果類の層とその下部の木材を取り上げ、底面と石積みの確認作業を行いました。(写真3)。石積みは、3段から4段で構築され、南側では、足場として利用されたと考えられる敷石も認められました。また1号水場遺構の南側では、水場遺構に向かって延びる自然流路が確認され、覆土から水場遺構と同時期の土器片も出土しており、自然流路から流れた水を利用していたと考えられます。1号トチ塚は、1号水場遺構の南側に位置し、自然流路に隣接しています。トチ塚からは、トチの実やクルミなどの堅果類が厚く堆積し、底面には、敷石も確認されました(写真3)。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 7区 121号竪穴建物跡遺物出土状況(石刀)
写真2 7区 122号竪穴建物跡遺物出土状況(勾玉)
写真3 7区 1号水場遺構崩落石取り外し後全景
写真4 7区 1号トチ塚堅果類堆積状況