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発掘調査の最新情報

柳田遺跡(やなぎだ)遺跡

令和4年2月 調査
調査場所
伊勢崎市赤堀今井町地内
調査期間
令和3年11月1日~令和4年2月28日
主な時代
縄文、古墳、古代、中世、近世
遺跡の内容
今月は5-3区、7区北側、8区で3面目の調査を行いました(写真1)。いずれも、低地部の調査を行いました。すべての地区で発見された溝の埋没土には、As-C(3世紀の浅間山軽石噴火に伴う軽石)の一次堆積が認められました。12月~1月に調査を行った6区では、溝に並走する古墳時代の杭列を検出しましたが、6区の南側にあたる7区でも杭23本が列状に打設された状態で出土しました(写真2)。また、8区では、縄文時代の溝と土坑を検出しました。溝は自然流路の一部に手を加えたもので、土坑と重複していました。3基の土坑は、いずれも低湿性土坑と呼ばれるもので、底面に石を組み上部に木材や木の実等を置いて水漬けにする施設と考えられています。本遺跡でも、底面に多孔石を含む石を置き上部には木材を置いた状態で検出されました。(写真3)。土坑内からは、オニグルミ、トチノキ、ハクウンボクの種子がまとまって出土しました(写真4)。溝と低湿性土坑、種子が検出されたことから、調査区の近くには、木の実の加工などをおこなう水場遺構があるのかも知れません。
発掘調査は、各地区の3面目調査をもって2月末に終了しました。
連絡先
090-3244-0006
写真 1 柳田遺跡の遠景(南から)
写真 2 古墳時代前期の杭列(北から)
写真 3 低湿性土坑の調査(北から)
写真 4 出土した種子(左からオニグルミ トチノキ ハクウンボク)