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保渡田屋敷廻り(ほどたやしきまわり)遺跡・保渡田阿弥陀(ほどたあみだ)遺跡

令和3年9月 調査
調査場所
高崎市保渡田町地内
調査期間
令和3年6月1日~令和3年10月31日
主な時代
中世、近世・古墳時代、平安時代
遺跡の内容
9月は、保渡田阿弥陀遺跡の調査を行いました。遺跡地内には、井野川が南東に流れ下り、周辺は圃場整備された階段状の水田が広がっています。1区は、階段状に造成された最上段の水田から調査を開始しました。第1面では、天仁元年(1108)の浅間山噴火に伴う軽石(As-B)で埋没した水田と溝、またAs-B降下後に掘り込まれた溝も確認しました。1区北の農道を挟んだ2区では、As-Bの堆積は確認できずに、2m近い6世紀代の榛名山の噴火に伴う泥流の堆積を確認しました。泥流直下から古墳時代後期の特徴である一畳ほどの小区画の水田と水路と考えられる大きな溝を確認しました。
3区は、2区より井野川に向かって1段下がり、2m以上の深くなります。第1面のAs-B下の調査を終え、耕作土直下には1mを越える6世紀代の榛名山の噴火に伴う泥流の堆積を確認しました。この泥流直下には、水田と旧流路上に形成されたと考えられる低湿地を確認しました。水田は、この時期の特徴である一畳ほどの小区画を等高線に沿うように造られ、低地部分に向かってひな壇状に造成されていました。泥流で押し潰されたのか、畦は低く、水口(取り入れ口)もはっきりしていませんでした。
連絡先
保渡田屋敷廻り遺跡・保渡田阿弥陀遺跡調査事務所 070-2815-3900
写真1 保渡田阿弥陀遺跡 3区第2面全景(東南より) 
写真2 保渡田阿弥陀遺跡 1区第1面全景(東南より)