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発掘調査の最新情報
本郷鶴楽(ほんごうかくら)遺跡
平成31年2月 調査
高崎市本郷地内
平成30年8月1日~平成31年2月28日
平成30年度 社会資本整備(活力・重点)西毛広域幹線道路に伴う埋蔵文化財の発掘調査
高崎土木事務所
縄文・古代・近世
2月の調査は、1月からの継続調査で、第3面(古墳時代~古代)と第4面(縄文時代)を調査しました。第3面では、古墳時代の竪穴建物(第245号竪穴建物)の大きさは、一辺が約5.5mの正方形で、深さ60㎝を超える大型の竪穴建物です。西壁中央部に付設したカマドは、天井部分が崩落しているものの、全体に残りは良く、当時の生活の様子がうかがえました(写真1)。建物内部には柱穴が4カ所とカマドの右側には貯蔵穴がありました。床の下の掘方からは、ほぼ全面にローム土を採掘するための土坑が掘られていました。縄文時代中期の柄鏡形敷石竪穴建物(第251号竪穴建物)は、敷石と壁際との間に、32本の柱穴が掘り巡らされていました(写真2)。第4面では、竪穴建物の他に土坑やピットを確認し、調査を実施しました(写真3)。縄文時代の調査後、4m四方の調査坑を13カ所設定し、旧石器時代の調査を実施しました(写真4)。このうち2カ所の調査坑において、約1.6万年前に降下した、浅間板鼻黄色テフラ(As-YP)直下のローム層中から剥片が1点ずつ出土し、周囲を拡張して更に調査を進めましたが、他には遺物の出土がありませんでした。本遺跡では、縄文時代から古代までの竪穴建物208棟、列石2カ所、土坑387基、ピット280基、溝27条などを確認し、今年度の調査が終了しました。
本郷鶴楽遺跡調査事務所 090-2654-3558