事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

東上之宮遺跡(ひがしかみのみやいせき)

令和3年7月 調査
調査場所
伊勢崎市東上之宮町
調査期間
令和3年7月1日~令和4年7月31日
主な時代
古墳、奈良、平安、中世、近世
遺跡の内容
7月の発掘調査では、6月に行った調査区の東側の調査区の調査を行いました。
天明3年(1783)の浅間山噴火に伴う軽石(As-A)と泥流を取り除いたところ、保存状態の良い水田が発見され、西側から水田が続いていることが確認できました。
水田は、大小の畦畔により整然と区画されていました。大畦畔は、畦道として利用され、脇には水路が設けられていました。水路の取水口は、開いた状態で確認できました。水田内には、稲株の痕跡や草取りのために入ったような足跡が明瞭に確認でき、まるでごく最近までつかっていた水田のようでした。(写真1)
水路の末端には、東西6m×南北3mほどの小さな水田を検出しました(写真2)。水路の先端から畦の下を通って水田にむかって土を掘り、この水田に水が出入りするようになっています。水路末端の上には、木材を数本渡した上に土を置いた土橋が掛けられていました。この小さな水田の畦は、取り囲む3方向の水田に水が回るように水口が作られています。この小さな水田は、3方向の水田に水を配り、また水田から水が集まるような、集排水機能を持った水田と考えられます。
連絡先
西上之宮遺跡・東上之宮遺跡・樋越薬師遺跡発掘調査事務所 070-2815-3810
写真1  水田全景 南から
写真2  水田近景 西から