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西上之宮(にしかみのみや)遺跡・樋越薬師(ひごしやくし)遺跡

令和3年2月 調査
調査場所
伊勢崎市西上之宮町、玉村町樋越地内
調査期間
令和2年11月1日~令和3年3月31日
主な時代
古墳、奈良、平安、近世
遺跡の内容
西上之宮遺跡では、先月から継続して中世墓の調査を行いました。火葬骨を納めた骨蔵器(こつぞうき)と「徳治三(1308)年」銘の板碑が確認され、中心部の五輪塔群は13世紀まで遡る可能性が高くなりました(写真1)。また、古墳の調査を進めたところ、舟形石棺の蓋が出土しました。残存しているのは蓋の半分のみですが、5世紀後半のものと考えられます(写真2)。中世に古墳が削平された際に、土坑を掘って落とし込んだようです。県内の舟形石棺は、西毛地域を中心に二十例程度が知られています。
樋越薬師遺跡では近世墓地の調査を進め、墓石の台石の下から入念な石組みの基礎が検出されました(写真3)。また、一部の墓には寛永通宝・煙管(きせる)・漆器椀等が副葬されていました(写真4)。
連絡先
西上之宮・樋越薬師遺跡発掘調査事務所 090-2652-8848
写真1 西上之宮遺跡 五輪塔群と板碑・骨蔵器
写真2 西上之宮遺跡 舟形石棺の蓋 出土状況
写真3 樋越薬師遺跡 11号墓 石組み基礎
写真4 樋越薬師遺跡 10号土坑 漆器椀出土状況