事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報
陣谷(じんや)遺跡
令和2年1月 調査
館林市楠町内
令和元年9月1日~令和2年3月31日
令和元年度山王赤生田線バイパス社会資本総合整備事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
群馬県館林土木事務所
縄文・古墳・古代・中世
1月の調査は、4区南側の微高地部分で検出した古墳時代の竪穴建物や掘立柱建物、溝、土坑、ピット等の調査を行いました(写真1)。竪穴建物は、70棟程が発見されており、調査区の南西部分に集中し、複数棟が重なり合っている場所が多く見られました。(写真2)。竪穴建物が造られた時期は、6世紀末から7世紀前半です。竪穴建物の規模は、1辺が6~7mほどのものが大半を占め、1辺が10mほどのものも確認されました。カマドは、北側と西側に造られているものが多く、袖部分に長胴甕を構築材として使用しているものもありました。竪穴建物の出土遺物は、土師器や須恵器などの生活用具のほかに、土玉などの土製品、臼玉や管玉などの装身具が出土しました。4棟の竪穴建物については、焼土や炭化材が集中した状況から、焼失した建物と考えられます。それらの中の1棟では、床面の焼土や炭化材の上からほぼ完形の土器が多数、口縁部を上にして置かかれていました(写真3)。掘立柱建物は2棟確認され、2棟ともに2間×2間の総柱の建物でした(写真4)。掘立柱建物の時期は古代と考えられます。その他に土坑が70基、ピットが300基ほど確認されました。土坑の中には、壁面全面に粘土を貼り付けたものが6基ほど確認されました(写真4)。これらの土坑の用途や性格は現在検討中ですが、時期は古代と考えられます。
陣谷遺跡調査事務所 070-4458-0366