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川原湯勝沼(かわらゆかつぬま)遺跡

令和元年9月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町大字川原湯地内
調査期間
令和元年7月1日~令和元年9月30日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・平安・近世
遺跡の内容
 9月の調査ではE区南西部1面下部(近世)及び中央部・南西部2面(縄文時代以降)の調査を行いました。
 E区南西部1面下部は、天明畑耕作土下で確認できた土石流層に埋もれた天明畑とほぼ同じ向きの東西方向の畝柵を持つ畑がわずかに確認でき、現場呼称として1.5面として調査を行いました。近世はこの1.5面の畑を使用していたものが、洪水・土石流によって埋まってしまい、そのすぐ後に1面の天明畑が再建されたものと考えられます。1.5面の畑は山側に近い場所でしか検出できず、おそらく川側は土石流層が薄く、1面の耕作の際にかく乱され、土石流層の厚い山側のみ遺構確認できたものと考えられます。
 E区南西部2面は縄文時代以降とみられる畑跡が確認できました。遺物が出土しなかったため正確な時期は不明ですが、1.5面耕作土との間に土石流層があるため、やはり洪水・土石流によって埋もれてしまったものであることが考えられます。畝の間隔は80~90㎝で川と直行するようにほぼ南北方向に延びています(写真1・2)。これも、土石流層の堆積の厚い山側にのみ残っており、川側のものは天明の耕作によってかく乱されているものと考えられます。また、中央部の湧水地点周辺では複数の縄文土器が出土し、この湧水を利用していた可能性がありますが、遺構は検出されませんでした。
 川原湯勝沼遺跡の調査は9月をもって終了しました。
連絡先
川原湯勝沼遺跡調査事務所 090-2652-8848
写真1 1.5面(中央部)・2面畑検出状況(北から)
写真2 2面畑調査風景(南西から)