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根小屋城跡(ねごやじょうあと)

令和元年6月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
調査期間
平成30年4月1日~令和元年6月30日
調査原因
平成31年度上信自動車道吾妻西バイパス建設事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県上信自動車道建設事務所
主な時代
中世、近世
遺跡の内容
 今月は、尾根上の堀切、北斜面、南斜面を調査しました。堀切(写真1)は薬研堀で、底部には幅約30cm程度の溝が掘られていました。溝は堀切とともに、斜面下へと続いていました。
 北斜面と南斜面では、現地表面で斜面に張り出した平坦面や窪みを確認したため、トレンチ調査を実施しました。しかし、表土を約10cm取り除いたところで、礫層やローム面となるため、中世城郭の遺構面は、確認できませんでした。斜面地のため、土砂崩れが頻繁に起き、遺構面である層は流出していると推測されます。張り出した面は、近世以降に堆積した土により形成されたものと考えられます。窪みは大規模な土砂崩れにより流出した部分と思われます。また、南斜面の平坦面では、近世以降の墓坑を確認しました。この平坦面は、耕作にともなう作業通路として作られたものと思われます。今月で、根小屋城跡の調査は全て終了しました。
写真1 堀切全景(上が南)
写真2 根小屋城跡全景(北西から)