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金井下新田(かないしもしんでん)遺跡

令和元年6月 調査
調査場所
渋川市金井字下新田1644番地5他内
調査期間
平成31年4月1日~令和元年7月31日
調査原因
一般国道17号(渋川西バイパス)建設事業に伴う埋蔵文化財調査
委託者
国土交通省
主な時代
縄文・弥生・古墳・古代・中近世
遺跡の内容
6月の調査は、Hr-FA(6世紀初頭に榛名山の噴火活動により噴出し堆積した火山灰層と火砕流堆積物)のS2面とS1面の調査を行いました。S2面の調査では、馬の歩行列が発見されました(写真1)。
この馬の歩行列は、昨年度の調査区で発見されているものと一連のもので、この歩行列更に現道を挟んだすでに調査済の金井下新田遺跡の5区で確認された歩行列へ続くことが分かりました。馬蹄痕のほとんどが、東側に向かっているため、火山灰(S2)が降り積もった後、西側から東側へ避難した様相がうかがわれます。周辺には、人の足跡は確認できないことから、馬に乗っていた可能性が考えられます。これらのHr-FA下からは、祭祀が発見されました(写真2)。
祭祀跡では、土師器高坏や坏、甕などの土器や土器片が数多く見つかりました。これらの土器は、火砕流で被災しても、土器などが動いたり流されたりした様子はなく、当時置かれたままの状態でした。また、これらの土器の中(写真3)や堆積土中から臼玉が約100点も発見されています。
7月は5世紀代の竪穴建物の調査や縄文時代の調査を行っていきます
連絡先
金井下新田遺跡調査事務所 090-5490-1699
写真1 Hr-FA(S2)面 馬の歩行列全景(西から)
写真2 Hr-FA下面 1号祭祀全景(西から)
写真3 1号祭祀臼玉出土状況(西から)
写真4 1号祭検出作業(南から)