事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

3月は主に1区西部の調査を行いました（写真1）。
1区西部は縄文時代の竪穴建物3棟を調査しました。調査では、1棟は完掘出来ましたが(写真2)、他の2棟は半分程が調査区外に延びていたため、完掘は出来ず全容をうかがい知ることが出来ませんでした。いずれの竪穴建物も円形で直径約5ｍ、厚さ約20～30㎝になります。完掘出来た竪穴建物からは、床面中央部分で埋甕炉跡が出土しました(写真3)。完掘が出来なかった2棟の竪穴建物では、床面で被熱による焼土の痕跡が残存する程度でした。また、土坑、ピットも多数見つかり、その中の2基は、2区で調査した二重構造の土坑と同様の、直径約1.5ｍ、深さ約1.2ｍの底面に、直径約50㎝、深さ約20㎝程度のピットを備える土坑でした。また、縄文土器を埋設した埋甕も4基出土しました（写真4）。
本遺跡は、縄文時代から中世・近世にかけて、竪穴建物4棟、竪穴状遺構1基、土坑244基、ピット343基、溝3条、埋甕6基等を確認し、調査を終了しました。