事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報
T007(てぃーぜろぜろなな)遺跡
平成29年9月 調査
富岡市後賀地内
平成29年8月1日~平成29年9月30日
平成29年度補助公共社会資本総合整備(広域・栃木長野)(一)下高尾小幡線庭谷工区に伴う埋蔵文化財の発掘調査
群馬県富岡土木事務所
縄文・弥生・古墳
T007遺跡は、富岡市後賀地内にあり、鏑川の左岸に立地しています。今月は方墳である7号墳の墳丘と周溝の精査と、全景の写真撮影を行いました(写真1・写真2)。
7号墳の墳丘の石の葺き方は、大きめの礫を用いて区画を設けて、その中に石を充填するように葺く方法が用いられています。墳丘の各面からは、葺石を伴わない箇所が帯状に認められたため、段があったと考えられます。7号墳の裏側に当たる北側や東側の墳丘の葺石では、崩落した箇所が認められるのに対し、正面である南側の葺石は比較的丁寧に積まれていたためか、良好な状態で残っていました。また、南側の墳丘の葺石の一部では、径約80cmの三角形の大きな礫を用いるなど、意匠と思われる特異な配置が認められました。
周溝は墳丘の周りを方形に囲うように掘り込まれていました。周溝の北側には、より古い時期の古墳である10号墳の一部が削られている状況が認められました。また、7号墳の正面に当たる周溝の南側からは、凝灰岩の礫が大量に見つかりました。
現在、古墳時代終末期の葺石を伴う方墳は群馬県内では数例しか認められていません。鏑川流域の平野の方向に正面を向いたこの古墳は、当時の有力者のお墓であったと想定されます。
今回の発掘調査は9月で終了しますが、次年度以降引き続き行っていく予定です。
7号墳の墳丘の石の葺き方は、大きめの礫を用いて区画を設けて、その中に石を充填するように葺く方法が用いられています。墳丘の各面からは、葺石を伴わない箇所が帯状に認められたため、段があったと考えられます。7号墳の裏側に当たる北側や東側の墳丘の葺石では、崩落した箇所が認められるのに対し、正面である南側の葺石は比較的丁寧に積まれていたためか、良好な状態で残っていました。また、南側の墳丘の葺石の一部では、径約80cmの三角形の大きな礫を用いるなど、意匠と思われる特異な配置が認められました。
周溝は墳丘の周りを方形に囲うように掘り込まれていました。周溝の北側には、より古い時期の古墳である10号墳の一部が削られている状況が認められました。また、7号墳の正面に当たる周溝の南側からは、凝灰岩の礫が大量に見つかりました。
現在、古墳時代終末期の葺石を伴う方墳は群馬県内では数例しか認められていません。鏑川流域の平野の方向に正面を向いたこの古墳は、当時の有力者のお墓であったと想定されます。
今回の発掘調査は9月で終了しますが、次年度以降引き続き行っていく予定です。
T007遺跡調査事務所 090-7818-5060