事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報
万木沢B(まんぎさわびー)遺跡
平成29年10月 調査
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
平成29年4月1日~平成29年11月30日
平成29年度上信自動車道吾妻西バイパス建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
群馬県上信自動車道建設事務所
縄文・弥生・古代
10月は1区と2区西半部・3区で調査を行いました。 1区では、試掘トレンチを設定して旧石器時代遺跡の確認調査を行いました(写真1)。遺跡は発見できませんでしたが、現地表面から約3m下に吾妻川のかつての河原だった段丘礫層があり、その上にローム層が約1.5m堆積していることを確認できました(写真2)。
2区西半部・3区では、平安時代の畑跡を調査しました。畑跡は、新旧二つの面が検出されました。1面の畑跡は、As-Kk(浅間粕川テフラ・12世紀前半降下)を耕して東西方向に畝を作った畑跡で、3区西側の一部で検出されました(写真3手前)。2面の畑跡は、調査区の全面で検出されました。1面の畑跡より古く、As-B(浅間Bテフラ・1108年降下)とその下の黒色土を耕して南北方向に畝を作った畑跡で、1区や2区東半部・4区で検出された畑跡と同じくAs-Kkに覆われ畝の方向や幅も同じでした(写真4)。したがって、2面の畑跡は、遺跡東端の1区から西端の4区まで東西約150mに及ぶ一続きの大きな畑跡の痕跡であり、As-Kk降下直前の12世紀前半、吾妻川に面した遺跡一帯の平坦地で大規模な畑作が行われていたと考えられます。ただし、「何を栽培していたのか」、それが確定できる直接の証拠は今回の調査では検出できませんでした。
2区西半部・3区では、平安時代の畑跡を調査しました。畑跡は、新旧二つの面が検出されました。1面の畑跡は、As-Kk(浅間粕川テフラ・12世紀前半降下)を耕して東西方向に畝を作った畑跡で、3区西側の一部で検出されました(写真3手前)。2面の畑跡は、調査区の全面で検出されました。1面の畑跡より古く、As-B(浅間Bテフラ・1108年降下)とその下の黒色土を耕して南北方向に畝を作った畑跡で、1区や2区東半部・4区で検出された畑跡と同じくAs-Kkに覆われ畝の方向や幅も同じでした(写真4)。したがって、2面の畑跡は、遺跡東端の1区から西端の4区まで東西約150mに及ぶ一続きの大きな畑跡の痕跡であり、As-Kk降下直前の12世紀前半、吾妻川に面した遺跡一帯の平坦地で大規模な畑作が行われていたと考えられます。ただし、「何を栽培していたのか」、それが確定できる直接の証拠は今回の調査では検出できませんでした。
万木沢B遺跡事務所 070-2655-7862