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鴫上(しぎあげ)・鶴窪(つるくぼ)・大カサ(おおかさ)遺跡

平成30年1月 調査
調査場所
高崎市本郷町地内
調査期間
平成30年1月1日~平成30年3月31日
調査原因
社会資本総合整備交付金事業西毛広域幹線道路高崎西工区(榛名)に伴う 埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県高崎土木事務所
主な時代
縄文・弥生・古墳・平安
遺跡の内容
遺跡は、高崎市北部の本郷町に所在し、榛名山水系により南北に刻まれた谷地形が発達する台地上にあり、遺跡地の標高は150m前後です。今年度の調査予定遺跡は、東から鴫上・鶴窪・大カサ遺跡の3遺跡で、鴫上・大カサ遺跡は昨年度の調査の継続となります。  鴫上遺跡では、調査区と土置き場とを反転させて、調査を進めています。これまでに竪穴住居5棟、竪穴状遺構1棟のほかに、畠や溝などが検出されています。(写真1) 鶴窪遺跡では、調査区の西側は削平を受けていて遺構はほとんど確認できませんが、東寄りの地形が低くなっているため、竪穴住居が4棟、確認されました。そのうちの1棟は、カマドが壊されながらも残存したもので、粘土や芯材の石のほかに羽釜の破片などが分散していました。また、ピットや土坑が、多数確認されています。(写真2)
大カサ遺跡は、谷地形を超えた西側にあり、現在表土掘削を進めています。平安時代の浅間山の噴火で堆積した軽石が残されている部分もありますが、現在、その直下の遺構は見つかっていません。遺跡の西端では、過年度の調査で見つかった古墳の周堀や竪穴住居の検出などに着手しています。
連絡先
鴫上・鶴窪・大カサ遺跡調査事務所 090-5411-8578
写真1 鴫上遺跡2区 全景(西から)
写真2 鶴窪遺跡1区 全景(東から)