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下田(しもだ)遺跡

平成30年5月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町大字林地内
調査期間
平成30年4月1日~平成30年7月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・近世
遺跡の内容
本遺跡は、吾妻川左岸の段丘面上に位置しています。南縁は吾妻川により削られ、河床から30mほどの断崖が形成されています。表土下には、天明泥流が厚く堆積し、調査区では1.5m~2mほどの厚さで堆積しています。
5月は、M区の東側(写真1)とN区の西側の調査を行いました。M区の調査は4月と同様に、泥流により地表面が顕著に削られていましたが、集石と溝を確認しました。集石は不要な礫を片付けた通称「ヤックラ」と思われ、溝は地境の区分けのために掘られたと思われます。N区では、天明泥流で被災した建物内の遺構や遺物を調査しました。建物内からはカマドや厩(うまや)と思われる遺構が見つかり、遺物では石臼や羽子板のほか、厩部分で馬の飼料を入れた桶が見つかりました。また、厠(かわや)と考えられる建物では、おそらく便槽である直径90cmほどの桶を確認することができました(写真2)。
6月からはN区の畑、石垣などの精査とN区の東側の調査を行っていく予定です。
連絡先
下田遺跡調査事務所 090-5411-8578
写真1 M区1面目全景(上が北)
写真2 N区1面目全景(上が北)