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発掘調査の最新情報

唐堀(からほり)遺跡

平成30年6月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
調査期間
平成30年6月1日~平成30年11月30日
調査原因
平成30年度上信自動車道吾妻西バイパス建設事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県上信自動車道建設事務所
主な時代
縄文・古墳・古代・中近世
遺跡の内容
唐堀遺跡はJR吾妻線矢倉駅の南西約400mに位置し、標高は約400~420m、吾妻川右岸の最も低い段丘面に立地します。東側に唐堀B遺跡、万木沢B遺跡、西側に唐堀Cが隣接し、吾妻川を挟んだ北東には岩櫃山の断崖絶壁が聳え、その麓にハート形土偶で有名な郷原遺跡があります。
遺跡は昭和55年に、町民スポーツ広場建設に伴い発見され、縄文時代後期から晩期の遺物が多数出土しました。その後、上信自動車道建設に伴い平成27・28・29年度に当事業団が調査し、中近世の畑・水田、古墳時代の円墳、平安時代の竪穴住居、縄文時代後期から晩期の配石遺構やトチの実の集積跡、耳飾り、土偶など多数の遺構・遺物が検出されています。特に、平成28年度の遮光器土偶の発見は大きな話題となりました。
今年度の調査は、1区・2区・3区について過年度からの継続調査として6月から11月まで実施する予定です。6月は3区で中近世の水田、2区で縄文時代の土坑や竪穴を調査しました。3区の水田は大形礫を並べて、水路を作り、その両側に石垣で区画した棚田が作られていました(写真2)。2区では縄文時代晩期の1号竪穴の掘り方を調査し、多数の耳飾りを検出しました(写真3・4)。今後の調査は、中近世の水田の下に存在する縄文時代晩期の調査に入る予定です。
連絡先
唐堀遺跡調査事務所 070-2622-7862
写真1 遺跡全景(奥に岩櫃山)
写真2 3区中近世の水田
写真3 2区1号竪穴(掘り方)の調査
写真4 2区1号竪穴耳飾りの出土状況