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群馬の遺跡・出土品発掘遺跡の最新情報

下芝内出畑(しもしばうちでばた)遺跡 平成30年8月調査 
調査場所

高崎市箕郷町下芝地内

調査期間

平成30年8月1日~平成30年9月7日

調査原因

平成30年度社会資本総合整備(活力・重点)西毛広域幹線道路(高崎西工区)事業に伴う埋蔵文化財調査

委託者

群馬県高崎土木事務所

主な時代

平安・中近世

遺跡の内容


 下芝内出畑遺跡は高崎市箕郷町下芝地内にあり、白川の左岸に立地しています。調査は昨年度の継続で、今回の調査で(4-3区)下芝内出畑遺跡の発掘調査は終了となります。発見された遺構は、平安時代の製鉄炉5基(写真1)、竪穴建物3棟(6号竪穴建物は鍛冶炉の施設を伴う)、土坑5基、溝1条を調査しました。製鉄炉はすべて残存する形状から竪型の炉をもつタイプのものと考えられ、基本的に円形の炉体に、僅かながら前庭部を備え、長方形または楕円形の排滓穴を伴なっています。これらは後世からの削平の影響を受けており、残存状態は良好ではありませんが、各製鉄炉からは大型の羽口や炉壁、多くの鉄滓などの遺物を確認することができました。これらの製鉄炉の調査に当たっては、50㎝方眼の枠組み、堆積土をそれぞれの枠毎に取り上げながら調査を行いました(写真2)。竪穴建物3棟のうち6号竪穴建物は上面が製鉄炉同様に削平されていますが、炉や羽口や鉄滓などが混入する土坑2基や柱穴と考えられるピットを確認しました(写真3)。これらの炉や土坑の中からは鍛造剥片が出土していることから、鍛冶関連の施設の竪穴建物と考えられます。他の2棟はどちらもカマドを南東隅部に備えています。残存状態が良好であった8号竪穴建物からは須恵器や羽釜などが出土しました(写真4)。羽口などの鍛冶関連遺物も見つかっていますが、竪穴内に鍛冶関連の施設が確認できませんでした。1号溝は調査区東側を北から南へ走行し、1号、4号製鉄炉の排滓部分を壊して構築しています。この溝はAs-B軽石や降下した灰の一次堆積物で埋没しています。中近世の遺構として土坑10基、ピット27基、溝2条が見つかっています。

連絡先/下芝内出畑遺跡調査事務所 090-5490-1699


43号竪穴建物遺物出土状況(西から)

写真1 1号、4号製鉄炉全景(東から)

43号竪穴建物カマド遺物出土状況(西から)

写真2 メッシュを組んでの製鉄炉調査状況

25号竪穴建物遺物出土状況(南から)

写真3 6号竪穴建物鍛冶炉・排滓土坑全景(南から)

425号出土遺物(東から)

写真4 8号竪穴建物の調査状況

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