歴史を紐解く

群馬の遺跡・出土品発掘遺跡の最新情報

矢場三ッ橋Ⅱ(やばみつはしに)遺跡平成22年6月調査
調査場所

藤岡市矢場地内

調査期間

平成22年4月1日~平成22年8月31日

主な時代

古墳時代~奈良・平安時代、中世

遺跡の内容

矢場三ッ橋II遺跡では、県道前橋長瀞線の道路改築事業に伴い4月から発掘作業を行い、調査も佳境に入りました。
遺跡からは、中世の時期に属すると思われるV字形の溝が5条ほど検出され、大きなものでは地表下の検出面で幅が8m、深さが2mに達します(写真1)。それぞれの溝は、ほぼ東西-南北の方向に一致し、溝が方形に廻らされた館の一部を発掘している可能性が高いと思われます。
遺跡では複数の井戸や土坑が検出され、すり鉢の破片やかわらけが出土しました。今月の調査成果で特筆されるのは、中国で作られ日本に運ばれた陶磁器が出土したことです(写真2)。それは、口縁の釉が剥がされて焼かれた碗で、白磁に分類されます。これが作られた時代は中国の元の時代に当たり、日本では鎌倉時代の終わりから室町時代にかけての時期です。この時期には、白磁や青磁などの陶磁器が輸入され、貿易の港であった博多や中心地である京都や鎌倉などで流通していたようです。
群馬県内からこのような陶磁器が発見されることは、大変にめずらしいことです。また、出土した陶磁器は、館に住んだ有力者の社会的地位を示す遺物、つまり「威信財」と呼ばれる宝物であり、どのような過程で藤岡に伝わったものなのか興味は尽きません。今後は、中世の館の時代や遺構群の精査を行う予定です。

連絡先

矢場三ッ橋Ⅱ遺跡調査事務所 0274-40-9937


館の一部を画する溝

写真1 館の一部を画する溝

出土した白磁碗

写真2 出土した白磁碗

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