古墳時代
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金銅製大帯(こんどうせいだいたい)
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.こんどうせいだいたい
■時 代
6世紀後半
■出土地
前橋市山王金冠塚古墳
■寸 法
幅11.9cm
■保管等
東京国立博物館
 金冠塚古墳の被葬者は、金の冠をかぶり、金の帯を巻いて安置されていた。これは、朝鮮半島南部の新羅(しらぎ)・加耶(かや)地域の王墓から出土する装束の一部と同じである。この時期の日本の豪族層はすっかり朝鮮のとりこになり、朝鮮づくしで身を飾っていた。金冠塚古墳の豪族がこの装束をつけたのは亡くなってからのみで、生前に身にまとったことはなかったかもしれない。
 帯の構造は、ベルトの留め金のようなホ具(かこ)が一端の中央に取り付けられており、その刺し金を別の端にあけられた穴に通して締めていた。柔軟性はほとんど望めないわけであるから、ずいぶん着ごごちがわるく、機能性の劣るものであったろう。亡くなってからのみ使用するのであるとすれば、そのことは問題にならなかったはずである。
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挂甲をつけた武人埴輪(けいこうをつけたぶじんはにわ)
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.けいこうをつけたぶじんはにわ
■時 代
6世紀後半
■出土地
太田市強戸出土
■寸 法
高さ1.26m 
■保管等
相川考古館
 円筒形の台の上に立つ武人埴輪の全身像。頭にかぶる衝角付胄(しょうかくつきかぶと)には頬当(ほおあて)と後頭部を保護する錣(しころ)が付く。身にまとうのは小札(こざね)をとじ合わせた挂甲で、これに別作りの頸甲(あかべよろい)・肩甲・籠手(こて)などで全身を完全に保護している。
  右手は腰に下げた大刀の柄を握って、今にも抜かんとする様で、左手は肩に掛けた弓の下にあてている。左腕は手首寄りに弓を放ったときに弦が腕に当たるのをやわらげる鞆(とも)が装着されている。像の後ろに回って背中を見ると、弓矢を入れる靫(ゆぎ)を背負っている。
  いつでも即座に戦える準備の整った武人像を表現しているわけであるが、像全体からはまったく威圧感が伝わってこない。童顔に近いおとなしい表情や、直立で動きの少ない身体表現によるものと思われる。国指定重要文化財。
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冠をかぶる男子埴輪(かんむりをかぶるだんしはにわ)
.かんむりをかぶるだんしはにわ
■時 代
6世紀後半
■出土地
伊勢崎市八寸
■寸 法
高さ1.24m
■保管等
相川考古館
 円筒形の台の上に立つ礼装の男子全身像。頭には山形のかぶり物をしている。美豆良(みずら)は先端で太くなり、両肩の前面に接している。衣は、胸のところの結び目と腰に回した二重の帯以外には細部の表現はない。籠手(こて)を装着した両手は左右の腰の前に当てられており、左手は腰から下がる大刀の柄(つか)の部分に当たることになる。帯の左側からは鞆(とも)がつり下げられている。袴(はかま)には、膝上のところに脚結(あゆい)があり、裾には折り返しがある。
  武人に対する文人を表現しているものである。目は細長く、鼻は低くすじが通っており、口は幅の狭い一文字である。直立姿勢のおとなしい表情はなにを見つめているのだろうか。国指定重要文化財。
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冠をかぶる広帯の男子埴輪(かんむりをかぶるこうたいのだんしはにわ)
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■時 代
6世紀
■出土地
邑楽郡大泉町古海
■寸 法
高さ1.12m
■保管等
相川考古館
  この埴輪は全身を表した立像である。頭に冠をかぶり、耳には耳環(じかん)をつけ、髪は左右に長く結い下ろす「下げ美豆良(みずら)」である。丸玉の首飾りをし、大刀を下げ、両手には籠手(こて)をつけている。服装は首まわりが丸首になる盤領(あげくび)の上衣をつけ、2カ所で結んでいる。さらに綾杉(あやすぎ)文という文様のついた広帯を締めている。この帯は厚く縁取られ、斜線の間が一つおきに赤く塗られた装飾性の強い帯である。褌(こん)は脚結(あゆい)がみられる。
  冠は幅の細い冠帯に、発芽したばかりの二葉にも似た双葉形の立飾(たちかざ)りがつく。頭頂部の左右にそれぞれ弧を描く2本線があり、この冠をかぶる際に頭頂部を包む布か革状のものがあったことが分かる。古墳時代の冠は朝鮮半島の文化の影響を強く受けており、金属部分は金銅製が多かった。この冠も朝鮮半島の冠を基本にした形と思われ、実物はまぶしく光輝いていたに違いない。(南雲芳昭)
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琴をひく男子埴輪(ことをひくだんしはにわ)
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.ことをひくだんしはにわ
■時 代
6世紀
■出土地
前橋市朝倉
■寸 法
高さ72.6p
■保管等
相川考古館
  長方形の椅子に腰かけて、膝の上の琴をひく姿である。顔は丸みのある鼻と細く長い口が特徴的である。欠け落ちているが、つば付きの帽子のようなものをかぶり、下げ美豆良(みずら)で後ろは背中にまで髪を垂らしている。上衣の表現はその裾のみであるが、赤い逆三角形文様の帯を締め、中央に大玉のつく丸玉の首飾り、手には篭手、腰には頭椎(かぶつち)状の大刀をつけており、ハレの場であることが読みとれる。造形は全身におよび、下げた両足には脚結(あゆい)か褌の裾をくくったひもが見える。
  琴は一部破損しているが四絃で琴頭に向かって徐々に幅を広げ、右手の下の位置には絃孔があいている。  こうした琴をひく埴輪は男子に限られており、『日本書紀』などでは神事の際に高貴な人が琴を弾いている。その際にはメロデイーよりも、かき鳴らす音色が重要であった。琴をひく埴輪の中には撥(ばち)を持つものがあり、そうした演奏法の一端を示している。(南雲芳昭)

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