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下田(しもだ)遺跡

平成30年8月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町大字林地内
調査期間
平成30年4月1日~平成30年8月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・近世
遺跡の内容
N区西側の2面目調査では、古代の竪穴建物2棟、土坑47基、ピット146基が見つかりました。竪穴建物は、5×4mの規模で東にカマドをもつものと4×3mの規模で北にカマドをもつものでした。前者からは、墨書土器や鎌と思われる金属製品が出土しました。また、土坑は、径が70~80cm規模の平面円形を呈したものが目立ちました。
旧工事用道路下のP区では、調査区の多くが削平されていました。調査区北側は、窪地であり削平を免れていましたが、天明泥流により表面が削られて、降下した軽石はほとんど確認されませんでした。最も北側の部分では、天明泥流堆積後に掘られた復旧土坑群が確認されました。幅は70~80cm程度で東西に並行して掘られていました。掘り込み面からの深さはわかりませんが、確認面から50cm以上の掘り込みがあり、大きな礫が多数入っていました。今後は泥流による削平の及ばなかった部分で2面目の遺構確認調査を進め、本年度予定された範囲の調査はすべて終了となります。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1  N区 2面目 調査区全景(上が北)
写真2  N区 2面目 13号住居 全景 (南から)
写真3 P区 復旧土坑群 全景(西南から)
写真4 下田遺跡遠景 (東から・P区)