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石川原(いしかわら)遺跡

平成30年8月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原湯地内
調査期間
平成30年4月1日~平成30年9月30日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・古代・近世
遺跡の内容
8月の調査は5区では3・4面(中世~古代)、7区では5面(縄文)の調査を行いました。
5区では、天明泥流下の建物が4棟、土坑が数十基確認され、調査は終了しました。7区では、調査区西側では、新たに4棟の竪穴建物と列石が確認されました(写真1)。列石は、縄文時代後期前葉のもので、地山礫を利用し構築されています。竪穴建物の時期は、縄文時代晩期前葉のもので、建物壁縁辺に石を巡らせ、中央部に方形の石囲炉を持つ建物(写真2)などが確認できました。台地の縁辺部では、配石群が確認されました。配石群は、同じ場所に繰り返し配石を行ったと考えられ、縄文時代晩期前葉から晩期中葉にかけての遺物が出土しています(写真3)。7区の谷部部分に近い地点では、石組の水場遺構が確認されました。作業場と思われる部分を円形に囲む配石と配石から谷部へ排水する排水路が設けられていました。水場遺構からはトチノキなどの堅果類や木材が出土しているほか、周辺でも堅果類の堆積がみられたため、9月から本格的な調査を行います(写真4)。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 7区 西側建物跡、列石全景
写真2 7区 縄文時代晩期の竪穴建物全景
写真3 7区 縄文時代配石群全景
写真4 7区 縄文時代水場遺構全景