事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

陣谷(じんや)遺跡

平成31年2月 調査
調査場所
館林市楠町
調査期間
平成31年1月1日~平成31年3月31日
調査原因
平成30年度山王赤生田線バイパス社会資本総合整備事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県館林土木事務所
主な時代
縄文・古墳・古代
遺跡の内容
2月は、3区南半部(微高地)と北半部(低地)で調査を行いました。南半部(微高地)では、多数の溝と土坑を検出しました(写真1)。その中でも3号溝は、幅6~8m・深さ1.5~2.0mの大溝で、城沼がある西から北東方向へと緩やかにカーブしながら延びています(写真2)。埋没土の中層から下層には、浅間Bテフラ(1108(天仁元年)に浅間山の火山活動により降下した軽石層)の堆積から、平安時代以前の大溝であることが分かりました。また、溝の底面には、幅1~1.5m・長さ約10mの範囲で、大量の土器片と共に硬く踏み締められた硬化面が検出されたことから、道として利用されていた可能性もあります(写真3)。他の溝は、3号溝よりも新しい中世以後の時期と考えられます。 一方北半部(低地)では、木製品が出土した層位をさらに下層へと調査するとともに、1月下旬に出土した馬鍬(1月紹介)の周辺部も拡張して調査しました。馬鍬は分析試料の採取や出土層位、出土状況などの記録を録り収納しました(写真4)。
3月は、3区北半部(低地)をさらに下層へと調査していく予定です。
連絡先
陣谷遺跡調査事務所 070-2655-7862
写真1 3区南半部(微高地)の調査(北から)
写真2 3号溝の調査(東から)
写真3 3号溝・底面の調査(東から)
写真4 馬鍬の出土状況(中央が馬鍬台木、西から)