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小田沢(おだざわ)遺跡で「浄瓶(じょうへい)」が出土しました。

令和4年7月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町植栗・岩井地内
調査期間
令和4年5月1日~令和4年12月31日
主な時代
古墳、奈良、平安、中世、近世
遺跡の内容
「延」の字が刻まれた「浄瓶(じょうへい)」 

上信自動車道吾妻東バイパス建設に伴い発掘調査を進めている小田沢遺跡から刻字のある「浄瓶(じょうへい)」がほぼ完全な形で出土しました。
この浄瓶は、愛知県の猿投窯(さなげよう)で生産された9世紀前半の灰釉陶器(かいゆうとうき)で、3号竪穴建物(9世紀)から出土しました(写真1)。
浄瓶は寺院で水差しとして使われた仏具で、器面に「延」の字が刻まれています。これまで文字の刻まれた浄瓶の出土は確認されていないため貴重な例といえます(写真3)。
「延」の意味は特定できていませんが、仏教に関連した用語の可能性があります。
この「浄瓶」は群馬県埋蔵文化財調査センター発掘情報館で展示を予定しています。詳細はホームページでお知らせいたします。

連絡先 公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団 調査部
    電話 0279-52-2511
写真1 「浄瓶」の出土状態
写真2 出土した浄瓶(高さ約28cm)
写真3 「延」の刻字の状況