事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

向原Ⅳ(むかいはらよん)遺跡

平成29年4月 調査
調査場所
安中市中野谷地内・富岡市妙義町下高田地内
調査期間
平成29年4月1日~平成29年5月31日
調査原因
平成28年度一般県道宇田磯部停車場線社会資本総合整備(広域新潟・長野) に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県富岡土木事務所
主な時代
旧石器・古代・近世
遺跡の内容
向原Ⅳ遺跡は、平成28年度一般県道宇田磯部停車場線社会資本総合整備(広域新潟・長野)に伴う発掘調査として4月から調査を開始しました。遺跡は横野台地の南端に立地しており、標高250m前後の平坦な地形で、現在は畑地として利用されています。
昨年度に行われた調査では、遺跡の南側から旧石器が発見され、現在その南に接する調査区を発掘しているため、やはり旧石器が発見されました。現在まだ調査中です。
また、古代に作られた馬の牧場である「牧(まき)」の外側を巡る堀が発見されました。これは安中市や富岡市が調査した堀の南東端にあたり、上幅は広いところで約3m、深さは深いところで1.8m前後あり、東西方向に延びています。土層断面を見ると、天仁元年(1108年)に噴火した浅間山の火山灰が白く残っています。堀は調査区の中で90度北に折れ、南北方向に進んでいます。
江戸時代の遺構としては、天明3年(1783年)に浅間山が噴火した際に降下した火山灰を当時の人がかき集めた灰掻き(はいかき)が見つかり、その下から畑の畝(うね)が発見されました。
連絡先
向原Ⅳ遺跡調査事務所 070-2815-3947
写真1 発見された旧石器
写真2 東西方向の牧の堀
写真3 火山灰が残る堀の断面
写真4 江戸時代灰掻き下の畑