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岩井山根B(いわいやまねびー)遺跡

令和3年10月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町岩井地内
調査期間
令和3年7月1日~令和3年10月29日
主な時代
弥生、奈良、平安、中世、近世
遺跡の内容
今月は、2区の最終面である3面(ローム上面)まで調査を行いました。2面(Hr-FA上面相当)では、緩やかに西から東に傾斜する東西方向に延びる3本の溝を確認(写真1)しました。どの溝も、下部は円礫を含む砂礫層まで掘り込んでいました。一部では、底面が固く締まった箇所も確認できたので、道の可能性があります。東端部で、崖で削られた竪穴建物を発見しました。この竪穴建物は、東西7.2m、南北2,5mの範囲を調査し、中央部分でHr-FAがレンズ状に50cm程堆積していました(写真2)。床面近くには、最長で50cm程の炭化材や焼土などが確認されたことから、焼失家屋と考えられます。また、南壁近くには長軸40cm、短軸20cm程の砥石と思われる3面に砥ぎ跡のある目の粗い石が出土しています。床面の焼土を採取し、篩(ふるい)でふるったところ鍛造剥片(たんぞうはくへん)が検出されたことから鍛冶(かじ)が行われていた可能性があります。2区中央部やや西側で、縄文土器の集中する包含層の調査を行い、縄文中期の竪穴建物(写真3)や土坑(写真4)を検出しました。
調査は10月29日で終了しました。
連絡先
岩井山根B遺跡発掘調査事務所 070-2655-7361
写真1 2区2面全景(上東)
写真2 15号竪穴建物Hr-FA堆積状態(南東から)
写真3 16号竪穴建物土器出土状況(北西から)
写真4 97号土坑検出状況(西から)