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保渡田屋敷廻り(ほどたやしきまわり)遺跡・保渡田阿弥陀(ほどたあみだ)遺跡

令和3年6月 調査
調査場所
高崎市保渡田町地内
調査期間
令和3年6月1日~令和3年10月31日
主な時代
古墳、平安、中世、近世
遺跡の内容
保渡田屋敷廻り遺跡は、保渡田城西隣の東谷川と大清水川に挟まれた台地の西端に位置します。保渡田阿弥陀遺跡は、保渡田屋敷廻り遺跡の西約0.9㎞の井野川南西の低地に位置します。
6月は、保渡田屋敷廻り遺跡の調査を行いました。保渡田屋敷廻り遺跡は、調査区北側に土手状の高まりが見られることから、保渡田城の土塁の存在が想定されていました。しかし、調査区内は現代の耕作による攪乱が著しく、特に調査区南側は宅地の跡地でローム上面まで削り込まれていました。調査区北側の土手状の高まり部分では、天仁元(1108)年の浅間山噴火に伴う軽石(As-B)や、古墳時代の噴火に伴う軽石(As-C)を含む黒色土等が確認できました。
調査の結果、二つの遺構面が確認されました。一面目は、As-Bで埋没した畠で、調査区北部の表土直下に100㎡ほど残存していました。二面目は、現耕作土直下(一面目畠の下を含む)で確認された古墳時代~近世の遺構面です。古墳の周溝1基、古墳時代~平安時代の竪穴建物5棟・竪穴遺構1基、中世の柵3基・ピット群、近世の溝・土坑・ピットを確認しました。
連絡先
保渡田屋敷廻り遺跡・保渡田阿弥陀遺跡調査事務所 電話 070-2815-3900
写真1 天仁元(1108)年の畠
写真2 平安時代の竪穴建物