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植栗山根A(うえぐりやまねえ-)遺跡

令和3年6月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町植栗地内
調査期間
令和3年4月1日~令和3年6月30日
主な時代
縄文、古墳、古代、中近世
遺跡の内容
これまでの調査において、1区南端で6世紀初頭の榛名山噴火の降下テフラ(Hr-FA)に覆われた小区画水田が検出されました。6月は、1区北端の調査区を広げたところ、大畦畔で大きく7つに区画された水田が検出されました。畦畔内側に小区画はありませんでした。写真1は、4月に検出された小区画水田と今回新たに検出された水田を合成した航空写真です。
2区の調査では、古墳時代の竪穴建物の調査がほぼ終了し、縄文時代の遺構調査を中心に行いました。縄文時代の遺構は、竪穴建物2棟、土坑62基、ピット52基が検出されました。竪穴建物の時期は、検出例が少ない晩期でした(写真2)。竪穴建物の覆土からは獣骨や焼土に混じって東北地方の土器や岩板など出土しました(写真3)。土坑やピットからは、中期~晩期の土器が出土しました(写真4)。
旧石器時代の確認調査は、二次堆積ローム層が確認された2区で実施しましたが、旧石器時代の遺物は見つかりませんでした。調査は6月末で終了しました。
連絡先
植栗山根A遺跡発掘調査事務所 090-3244-0006
写真1 Hr-FA 下面の水田(下が東)
写真2 縄文時代晩期の竪穴建物調査(西から)
写真3 竪穴建物から出土した東北地方の土器(西から)
写真4 縄文時代中期の土坑 (南から)