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下黒岩原遺跡(しもくろいわはらいせき)

令和3年5月 調査
調査場所
富岡市下黒岩地内
調査期間
令和3年4月1日~令和3年5月31日
主な時代
平安、中世
遺跡の内容
5月の調査は、天仁元年(1108)の浅間山噴火に伴う軽石(As-B)下の面を中心に、調査を行いました(写真1・2)。As-Bを掘り込んだ耕作痕が多数検出されており、噴火後に行われた復旧痕跡の可能性があります。地形が斜面であることから、水田ではなく畠だったようです。
また、昨年度調査時と同様に、As-Bより下層から大規模な「山崩れ」の形跡が確認されました(写真3)。時期を特定することは困難ですが、平安時代の歴史書『類聚国史(るいじゅうこくし)』には、弘仁九年(818)に上野国(こうずけのくに)周辺で大規模な地震が発生したという記録があり、これに伴う崩落かもしれません。崩落層の下からは、わずかに縄文土器片が出土しています(写真4)。
調査は、5月末で終了しました。
連絡先
下黒岩原遺跡発掘調査事務所 090-2652-8848
写真1  下黒岩原遺跡遠景(南側から撮影)
写真2  耕作痕調査状況
写真3  山崩れによる堆積層
写真4  縄文土器片の出土状況