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柳田(やなぎだ)遺跡

令和3年3月 調査
調査場所
伊勢崎市赤堀今井町地内
調査期間
令和3年1月1日~令和3年3月31日
主な時代
縄文、古墳、古代、中世、近世
遺跡の内容
 柳田遺跡の3月の調査は、4区北側を調査しました。4区南で確認された開削状遺構(古墳時代と中・近世)は、4区北側で終わり、長期間にわたって大規模な新田開発が行われたことが考えられます。調査区東側の低地部では、天仁元年(1108)浅間山噴火の降下軽石に覆われた水田の調査を行いました。大小の畦畔のほかに水口と推定される遺構が確認できました。この水田下の調査を進めると、6世紀初頭の榛名山二ツ岳噴火の火山灰(Hr-FA)や4世紀初頭の浅間山噴火軽石(As-C)などの火山噴出物が確認されました。これらの火山灰等に直接関係する遺構は発見できませんでしたが、榛名山の火山灰層の直上から、人為的に土砂が盛られた盛土状遺構(写真1)が確認されました。この盛土状遺構は、調査地内で長さ15m、高さ1mの規模を持つもので、粘土と黒色土が幾重に重なり、互層状に盛土されていました。また、盛土作業の過程で、排水の機能と考えられる木樋(半裁した大木をくり抜き凹状になった材を重ね合わせた形状)(写真2)が設置されていました。周辺からは樽形瓦泉(はそう)などの遺物も見つかっています。
 全ての遺構調査後、埋め戻しを行い3月末に調査は終了となりました。
写真1 4区北 盛土遺構土層堆積状況 (西から)
写真2 4区北 木樋出土状況 (西から)