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厚田中村(あつだなかむら)遺跡

令和2年11月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町厚田町内
調査期間
令和2年7月1日~8月31日・令和2年10月1日~12月31日
主な時代
古墳・古代・中世
遺跡の内容
11月の調査は、8区の古墳時代の調査と7区の天明泥流下、2区のAs-B下水田の調査を行いました。8区では古墳時代(5世紀後半)の竪穴建物3棟を検出しました。3棟の中で、1号竪穴建物は梁や垂木と思われる建築材が焼け落ちて炭化した状態で検出されていることから、焼失建物と考えられます。(写真1)。カマドも残存状態が良好でした。カマドには、甕が2つ懸かり、甕の下には支脚が使用時の状態で立っていました(写真2)。カマドの両側に複数の石を配置して本体を作っていました。
7区の調査では天明3年(1783)の浅間山噴火に伴って発生した天明泥流で埋没した溝や土手状の高まり(写真3)を検出しました。溝の脇には地境として植えたと考えられる立木や泥流で押し流されたと思われる木製品などが数多く出土しました(写真4)。
12月の調査は、3区、5区の調査を行います。
連絡先
厚田中村遺跡調査事務所 090-5490-1699
写真1 1号竪穴建物炭化材出土状態(東から)
写真2 1号竪穴建物カマド調査状況(西から)
写真3 泥流で埋没した溝と土手状の高まり(西から)
写真4 地境に植えられた立木と出土した木製品(東から)