事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

吹屋恵久保(ふきやいくぼ)遺跡

令和2年7月 調査
調査場所
渋川市吹屋地内
調査期間
令和2年7月1日~令和2年7月31日
主な時代
縄文、古墳以降
遺跡の内容
本遺跡は、渋川市吹屋地内にあります。渋川市子持行政センター(旧子持村役場)の100m程北側で、中之条方面に向かう国道353号線バイパスの南側になります。西には吾妻川の支流である鯉沢川が流れており、標高210m程の微高地に立地しています。当地域は6世紀代に榛名山二ツ岳が2度の噴火を起こし、軽石(Hr-FP)や火山灰・火砕流(Hr-FA)などの被害を受けていることが周辺地域の調査で分かっています。今回の事業でも表土掘削を実施したところ、Hr-FP下から長軸方向が東西、短軸方向が南北の長方形の高まりを確認しました。周辺のHr-FP下の調査結果等から方形周溝墓であることが分かりました。また、Hr-FP下では、多数の馬の蹄跡(写真1・2)が見つかりました。墳丘上を自由に歩き回っていたようです。蹄跡には径が10cm程の小さ目なものもあり、仔馬もいたようです。墳丘上にはHr-FAが10cm前後で堆積し、その下からも馬の足跡(写真3)を確認することができました。また、墳丘を構築する時の作業道と思われる痕跡(写真4)も確認することができました。
連絡先
吹屋恵久保遺跡調査事務所 090-2414-2561
写真1 Hr-FP下調査区全景(東から)
写真2 東斜面の馬の足跡近景(東から)
写真3 Hr-FA下調査区全景(東から)
写真4 北斜面の作業道と思われる痕跡(西から)