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下里見天神前(しもさとみてんじんまえ)遺跡

令和2年7月 調査
調査場所
高崎市下里見町地内
調査期間
令和2年7月1日~令和2年9月30日
主な時代
縄文、古墳、奈良、平安、中世
遺跡の内容
本遺跡は、烏川右岸部の東西に延びる段丘面上に立地します。遺跡地南側には里見川が流れ、北の段丘崖側から南の里見川に向かって傾斜しています。現況は、畑や水田の耕作地ですが、住宅地が迫っています。7月から開始した調査では、調査地内全域で天仁元(1108)年の浅間山噴火軽石(As-B)が確認でき、直下の面の調査を行いました。As-B直下面では、東西に延びる1m前後の段差が確認でき、北側が台地、南側が低地に分けられました。台地はAs-Bの残りは薄く、攪拌も受けていました。南側の低地ではAs-Bの堆積は厚く、直下面から不定形の水田区画が発見されました(写真1)。北側台地上では中世と考えられるAs-B降下以降に掘られた溝や土坑も発見できました。溝は、台地の縁辺部に東西に延びるものが多く、近い場所に何度も掘りなおされています(写真2)。一部As-Bの残っていなかったところでは、古代の面まで掘り下げ、竪穴建物、土坑等を発見しました。竪穴建物の時期は、古墳時代前期と古墳時代後期になります。また、礫の集中する範囲の掘り下げを行ったところ、古墳の横穴式石室であることが分かりました。
連絡先
下里見天神前遺跡調査事務所 070-2655-7412
写真1 As-B直下面全景
写真2 台地縁辺部に延びるAs-B降下以降の溝