事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

下谷戸B遺跡(しもがいどびーいせき)

令和2年5月 調査
調査場所
みどり市大間々町塩原地内
調査期間
令和2年5月1日~令和2年5月31日
主な時代
縄文・古墳時代以降
遺跡の内容
本遺跡は、みどり市大間々町塩原地内にあります。国道122号線が大間々町市街地を北上し、渡良瀬川手前で足尾方面に左折する交差点を直進して、福島大橋を渡った正面の渡良瀬川左岸の下位段丘上に立地しています。東には渡良瀬川の支流である塩沢川が流れています。
今年度の調査は、前年度のトレンチ調査で石器剥片(はくへん)の集中地点が確認され、その石器剥片出土集中地点を中心に100㎡の調査を行いました。トレンチ内の土層は、上部に固く締まった細砂質土やシルト質土が堆積し、その下層の水流で形成されたと思われる砂層から出土しました。南北約4m、東西約9mの範囲で石器集中範囲を検出しました。その中には土器破片も含まれていました。
出土遺物は、剥片(石器を作るときに飛び散る破片)が中心であり、800点以上出土しました。石器では、長さ17cm、幅5cmの片刃打製石斧(かたばだせいせきふ)1点(写真2)、長さ4cmの欠損のない石鏃(せきぞく)、製作時に欠損したと思われる有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)や10数点の尖頭器(せんとうき)を確認しました。
また、やや厚手の隆起線文土器(りゅうきせんもんどき)(写真3)や、薄くて固い模様が不鮮明な土器も80点ほど出土しました。
発掘調査は、5月末をもって終了しました。
写真1 調査区全景
写真2 片刃打製石斧(かたばだせいせきふ)
写真3 隆起線文土器(りゅうきせんもんどき)取り上げ状況
写真4 尖頭器(せんとうき)等出土状況