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東宮(ひがしみや)遺跡

令和元年7月 調査
調査場所
長野原町川原畑地内
調査期間
令和元年6月1日~令和元年9月30日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・近世
遺跡の内容
本遺跡は、吾妻川左岸の山麓緩斜面に立地し、標高は530m前後です。
吾妻川に隣接する5区では、縄文時代の遺物が集中する地点を中心に、竪穴建物の存在を想定して調査を進めています(写真1)。これまでに縄文時代以降の溝、中世の土坑墓などが確認されています。
高台の8区は、天明泥流堆積物下から建物跡や道、溝、石垣などの遺構が検出されました。5号建物では、建物の建築部材や先端が二股の木材、竹などが、礎石と土台基礎の根材の上に集積された状態で検出されました(写真2)。さらに下位層からは、中近世の土坑・ピット群が検出されました。また、これらの中近世の遺構確認面よりも下層から、縄文時代中期から後期にかけての竪穴建物や土坑、石列などが検出されています。
8月以降、5区・8区ともに縄文時代の遺構の発掘調査を進めていく予定です。
連絡先
東宮遺跡調査事務所 070-4458-0363
写真1 5区縄文時代面調査風景(南東から)
写真2 8区天明泥流埋没5号建物の材出土状況(垂直)