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石畑Ⅰ岩陰(いしはたいちいわかげ)遺跡

令和元年7月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原畑地内
調査期間
令和元年5月1日~令和元年8月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・平安・近世
遺跡の内容
7月の調査は、第1面の江戸時代(天明)の調査を終了し、第3面・第4面相当の遺物包含層の調査を進めています。調査地は川側から旧国道、1段上がりJR線路が併走していた場所で、それぞれ護岸のため直立するコンクリート擁壁が設置されています。今年度の調査地は線路敷き部分の調査であるため、調査地は狭く、崩落の危険性を伴うことから、2m幅のトレンチを数カ所設定して安全性を確認しながら調査を行うこととしました。調査を進めていく中で、岩陰の雨垂れラインより外側は傾斜地であったことが分かりました。出土遺物は、古墳時代から縄文時代早期にかけての土器・石器が出土し、灰層などは見られませんでした。遺物は、特に岩陰の庇のせり出した斜面に集中し、現在1000点を超える遺物量が出土しています。1978年(昭和53年)に旧JR吾妻線のコンクリート擁壁を作る際に実施した調査では、より古い時代の遺物も出土しているため、今後も包含層の調査を継続していきます。
連絡先
石畑Ⅰ岩陰調査事務所 070-2815-3900
写真1 包含層遺物出土状況(南から)
写真2 調査風景(北から)