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金井下新田(かないしもしんでん)遺跡

令和元年7月 調査
調査場所
渋川市金井字下新田1644番地5他内
調査期間
平成31年4月1日~令和元年7月31日
調査原因
一般国道17号(渋川西バイパス)建設事業に伴う埋蔵文化財調査
委託者
国土交通省
主な時代
縄文・弥生・古墳・古代・中近世
遺跡の内容
 7月の調査は、Hr-FA(6世紀初頭に榛名山の噴火活動により噴出し堆積した火山灰層と火砕流堆積物)層下の、古墳時代の調査と縄文・弥生、旧石器時代の調査を行いました。
Hr-FA層下の調査では、昨年度の調査で文化層が3面確認されています。先月行った第1面目の調査では、Hr-FA層の直下から祭祀遺構を確認しました。今月は第2・3面の調査を行い、第2面目では竪穴建物4棟を確認しました(写真1)。時期は、出土した土器から5世紀末の竪穴建物と考えられます。8号、10号竪穴建物は、1辺が10mにもなる大型のもので、建物周辺からは周堤も確認できました。8号竪穴建物は、床面直上に焼土や炭化材が顕著に散っていたことから、焼失した可能性があります(写真2)。カマドは石組で、煙道部分まで残存していました(写真3)。第3面目からは、4棟の竪穴建物を確認しました。これらの竪穴建物は出土した土器は、第2面で確認した竪穴建物より古い時期の土器で、5世紀中ごろから末頃のものと考えられます(写真4)。これらの竪穴建物のカマドは、煙道部を持たない特徴があります。弥生時代の遺構については確認されず、縄文時代の遺構についても性格不明の土坑のみでした。旧石器時代の調査も行いましたが、遺物などは確認されず、調査は7月で終了しました。
連絡先
金井下新田遺跡調査事務所  090-5490-1699
写真1 8区第2面全景
写真2 8号竪穴建物全景(東から)
写真3 8号竪穴建物カマド全景(東から)
写真4 15号竪穴建物全景(西から)