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石川原(いしかわら)遺跡

令和元年5月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原湯地内
調査期間
平成31年4月1日~令和元年5月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・古代・近世
遺跡の内容
5月の調査では、先月からの継続で7区5面(縄文時代)の調査を行いました。縄文時代後期から晩期にかけての、竪穴建物や配石遺構、列石、埋甕、土坑が見つかりました。先月出土した土偶は、長さ15㎝程で胴と手足をもち、顔部分には土器がつけられたようになっており、はっきりとした顔は表現されていませんでした(写真1)。土偶の隣からは、後期後半頃の注口土器が出土しており、祭祀的な意味があったものと考えられます(写真2)。配石遺構では、これまで検出されていた配石墓を構築する石を外しながら、構築されるまでの状況を調査しました(写真3)。また新たに立石を伴う10基ほどの配石遺構や3基の埋甕を検出しました。そのうちの1基の埋甕は、底部の無い深鉢で正位に埋めています。蓋石と考えられる石も確認されました。また、埋甕の上には周囲を囲うように石が立ち並べられていました(写真4)。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 2号配石 遺物(土偶)出土状況(北西から)
写真2 2号配石 遺物(注口土器)出土状況(南東から)
写真3 2号配石レ号配石(配石墓) 作業風景(西から)
写真4 53号埋甕 断面(南西から)