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発掘調査の最新情報

下田(しもだ)遺跡

平成31年4月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町大字林地内
調査期間
平成31年4月1日~平成31年4月30日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
古代・中世・近世
遺跡の内容
下田遺跡は、吾妻川左岸の舌状の河岸段丘面上に位置しています。遺跡西端部には吾妻川に流れ込む沢があり、遺跡地内に沢から流出した土砂の扇状地形がわずかに見られます。4月の調査では、この遺跡地西端部の調査を行いました。周辺部は前年度までに調査が終了し、天明泥流に埋もれた家屋や畑、道などが確認されています。今回の調査では、階段状に造成された屋敷と屋敷をつなぐ道や畑を確認しました。その一角に1棟の蔵が確認できました(写真1)。蔵は、傾斜地を平坦にならすため50cm大の礫を土留めとして下方に並べ造成し、その上に幅30cm前後、長さ1m前後の角柱状に割られた礫を並べ建てられていました。中には根太と呼ぶ床板下部に渡された材の痕跡が見られました。
第2面調査では、平安時代の竪穴建物2棟や掘立柱建物2棟、土坑11基等が確認でき(写真2)、調査を終えました。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 1面(近世)蔵の基礎(西から)
写真2 2面(中世から古代)全景(上が北)