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安中市0334(あんなかしぜろさんさんよん)遺跡

平成31年3月 調査
調査場所
安中市安中地内
調査期間
平成30年12月1日~平成31年3月31日
調査原因
平成30年度西毛広域幹線道路整備に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
安中土木事務所
主な時代
古墳・奈良・平安・近世
遺跡の内容
3月も古代集落、中・近世の遺構の調査を実施しました。3月の調査では、奈良時代の218号竪穴建物から、須恵器の円面硯が出土しました。出土円面硯は、4分の1程しか残存していませんでしたが、当時の形は復元できます。この硯は、お椀をひっくり返したような形で、上面の墨を摺る面が円形です。脚部には縦長のスリット状の透かしが施されています。
今月で安中市0334遺跡の調査は終了しました。1年間の調査で、古墳時代の竪穴建物を31棟、奈良・平安時代の194棟の竪穴建物を調査しました。この遺跡は、古代の家跡である竪穴建物が密集して発見されました。また、硯や役人の帯飾り、馬具などの発見もありました。安中市334遺跡は、古代の東山道に面した遺跡です。そして、これまでの近隣の発掘調査では、古代碓氷郡の役所跡を思わせる遺構が発見されていました。しかし、今回の安中市334遺跡の発掘調査では、東山道、碓氷郡役所の発見には至りませんでした。今後の周辺地区の発掘調査で実像が明らかになることが期待されます。
写真1 218号竪穴建物円面硯出土状況
写真2 調査区全景(北から)