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唐堀(からほり)遺跡

平成29年12月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
調査期間
平成29年4月1日から平成29年12月31日
調査原因
平成30年度上信自動車道吾妻西バイパス建設事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県上信自動車道建設事務所
主な時代
縄文・弥生・古墳・平安・中近世
遺跡の内容
12月の調査では、2区の縄文時代晩期面の遺構調査と3区(中央水路部分)の天明3年(1783年)の浅間山噴火に伴う泥流によって被覆した水田面の調査を行いました。2区では、埋設土器4基と屋外炉が確認されました。写真1の埋設土器は、縄文時代晩期中頃のもので、埋設土器の性格については今後の検討課題です。写真2の屋外炉は、円礫によって方形に石が組まれていました。3区では、天明泥流下から近世の水田(写真4)、畑、水路などが確認されました(写真3)。水田は3期に及んでおり、初期は、湧水を排水するための排水路(写真3下側)を設け、写真上側に水田を設けていました。2期は、水田の拡張に伴い、水路を放棄し、水路の南側部分の水路の石垣を利用して、さらに石積みを行い、2段の水田耕地を造成しています。3期は、南側部分の廃棄した水路跡と水田の改修、下の耕地も修築しています。しかし天明泥流による顕著な破壊と部分的な発見であったため、全容は不明です。
連絡先
公益財団法人 群馬県埋蔵文化財調査事業団 0279-52-2511
写真1 2区埋設土器露呈状況
写真2 2区屋外炉露呈状況
写真3 水田上面作業状況
写真4 水田石垣露呈状況