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石川原(いしかわら)遺跡

平成30年1月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原湯内
調査期間
平成29年4月1日~平成30年3月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・平安・中世・近世
遺跡の内容
1月の調査は6区の1面(天明泥流下)の遺構の検出を行いました。その結果、南北に走る道と付随する水路の両脇に建物跡が検出されました。道の東側については、平成28年度に調査を行った建物の一部である西端の礎石や土台が残されていました。また、下臼や横槌、火箸なども出土しています。道の西側では新たに2棟の建物が見つかりました。いずれも礎石を持たず、掘立柱の建物でした、建物の南東に多くの遺物が泥流で押し流された状態で出土しました。石臼や、刀、斧、鎌、鍬、砥石などの農工具などの他、陶磁器や銭、鏡、さらには陶器製の人形、漆碗などが出土しています。建物の北西には径1mを超える桶2つが埋められた便所も検出されました。
水路の幅は30㎝程で両側に石が並べられています、一部折れ曲がった場所も見られ、建物に通じる場所には、大きな石が橋のように据えられています。また、建物の庭の端には、降下した軽石を集めた状況も確認されました。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 5区16号建物土台、遺物検出状況(東から)
写真2 6区46号建物(便所)全景(西から)