事業団の発掘と整理
発掘調査の最新情報

前橋市0093・前橋市0102(まえばししぜろぜろきゅうさん・まえばししぜろいちぜろに)遺跡

平成30年2月 調査
調査場所
前橋市堀之下町地内
調査期間
平成30年2月1日~平成30年2月28日
調査原因
平成29年度(一)寺沢川河川改修事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県前橋土木事務所
主な時代
中世
遺跡の内容
前橋市0093・0102遺跡は前橋市堀之下町地内に位置し、遺跡のすぐわきには寺沢川が流れています。
 2月は、女堀の調査と寺沢川西側3区の調査を行い(写真1)、旧石器の確認調査に入りました。
 女堀に関して1区では、南側の立ち上がりが確認できました。北側の立ち上がりについては、一部1区北東隅で確認することができ(大部分は現況道路下と推定される)、2区の南西隅で確認された北側の立ち上がりとつながります(写真2)。底面部からは、南側の立ち上がりに沿って、排水溝と考えられる浅い溝状の掘り込みと、その溝に直行する形で存在する溝も確認できました。また、北側の推定立ち上がりに並行する形で、やや中央寄りに同様の排水溝が確認されました。性格は不明ですが、調査区北側では女堀を横断する方向で複数の段差を有する溝状の遺構や幅12㎝の浅い溝も排水溝と平行するかたちで確認されています。
 3区の調査においては、調査区を北側と南側(低地側)に分け調査を行いました(写真3)。北側は、昭和期に営まれていたと考えられる水田耕土層が厚く堆積しており、下層は黄白色のローム層(基盤層)となり、遺構は確認できませんでした。3区南側では、調査区範囲が狭くトレンチ調査を行いました。トレンチからは、天仁元年1108年に降下したAs-Bが確認され、下層に水田跡と小畔と考えられる2㎝程の高まりも確認されました。また、寺沢川の旧流路もトレンチ北側で確認されております。
 旧石器の確認調査では、4m×4mのグリットを設定し人力で掘削を進めています(写真4)。現在、2区で1点石器の剥片が出土していますが、それ以上は確認されておりません。
 3月は旧石器の確認調査を進め、埋め戻し作業に入っていきます。
連絡先
公益財団法人 群馬県埋蔵文化財調査事業団 0279-52-2511
写真1 調査区全景 南から
写真2 女堀全景 垂直から(上が北北東)
写真3 3区調査区全景 垂直から(上が西)
写真4 旧石器確認調査風景