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西宮(にしみや)遺跡

平成30年4月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原畑地内
調査期間
平成30年4月1日~平成30年9月30日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・近世
遺跡の内容
第1面(江戸時代)で、天明泥流直下の建物、道路、畑などを調査しました。8区では、東から西の方向に延びる道路の周辺から、薪(たきぎ)が大量に出土しました。薪は約1~2mの長さに伐採されていましたが、縛られたような痕跡はなく、道路南側に掘られた溝の傾斜面に沿って重ねて置かれたような状態でした(写真1)。9区では、母屋建物1棟、付属建物1棟、石垣、道などを調査しています。母屋は礎石建物で、柱や床板などの木材は出土しませんでしたが、囲炉裏や馬屋を確認しました。付属建物は、東西約5.2m、南北約3.8m、深さ約20㎝の規模で、周囲に幅約30~40㎝の溝が掘られていました。溝の底面には切り石を設置していたような窪みが認められることから、天明泥流で埋没したあとに切り石を掘り出したと考えられます(写真2)。今後も建物周辺の調査を行う予定です。
連絡先
西宮遺跡調査事務所 070-2655-7361
写真1 8区第1面(近世)天明泥流直下の道路と出土した薪(たきぎ)の調査風景(東から)
写真2 9区第1面(近世)天明泥流直下の建物調査風景(南から)