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発掘調査の最新情報

万木沢B(まんぎさわびー)遺跡

平成29年7月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
調査期間
平成29年4月1日~平成29年11月30日
調査原因
平成29年度上信自動車道吾妻西バイパス建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県上信自動車道建設事務所
主な時代
縄文・弥生・古代
遺跡の内容
 7月は1区と2区東半部を調査しました。1区では、6月に引き続き縄文時代の遺物包含層の調査を進めました。下層へと慎重に掘り進めていくと、幅約8m・長さ40mの弧状の溝が検出され、その溝の覆土から大量の土器片とともに石器や礫、さらには石棒や装身具、骨片が多数出土しました。溝の中からは壺の上に大型礫を人為的に置いた可能性がある配石遺構も検出されました(写真1)。土器は、縄文時代晩期のもので大多数が破片でしたが、まれに完形に復元可能な深鉢や壺も出土しました(写真2)。また、赤く塗られた土器も見つかりました。石器は、大量の黒曜石の破片とともに石鏃やドリルも多数出土しました。装身具は、緑色の石を加工したビーズ(写真3)や管玉が出土しました。骨片は、残りが悪くほとんどが5mm程度の大きさで、ごくまれに1㎝程度のものが出土しました。現在のところ、何の骨かは確認できていません。
 一方、2区東半部では、平安時代の竪穴住居と縄文時代の土坑・溝を調査しました。最後にトレンチを設定して旧石器時代遺跡の確認調査を行いました(写真4)。旧石器時代遺跡は確認できず、これにより2区東半部の調査は終了しました。
連絡先
万木沢B遺跡調査事務所 070-2655-7862
写真1 配石遺構の調査
写真2 土器の出土状態
写真3 装身具の出土状態
写真4 2区東半部全景