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四戸の古墳群(しどのこふんぐん)

平成30年7月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
調査期間
平成30年4月1日~平成30年9月30日
調査原因
平成30年度上信自動車道吾妻西バイパス建設事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県上信自動車道建設事務所
主な時代
弥生・古墳・古代・中世・近世
遺跡の内容
7月の調査では、弥生時代の終わりごろ(3世紀)に建てられた竪穴建物2軒と、古墳時代後期(6世紀)に建てられた竪穴建物2軒を検出しました(写真1)。古墳時代後期の竪穴建物は東壁に竈(カマド)が設置されていました。また、床面付近からは使用された土器の破片の他に大量の炭が見つかっています。焼失した竪穴建物であると考えられます。古墳の調査では、周堀と石室の形状を確認しました。周堀が埋まった土の上層には、埴輪片が多く埋まっており、墳丘が残存している部分では、円筒埴輪(えんとうはにわ)の基部が樹立した当時のままの位置で見つかっています(写真2)。石室の形状は、かつて調査が行われた四戸Ⅰ号墳・Ⅳ号墳と同じ無袖型(むそでがた)の横穴式石室で、天井石は失われています。石室の入り口部分は閉塞石(へいそくせき)と呼ばれる石でふさがれており、入口前には石室に向かって二列石を並べた墓前域(ぼぜんいき)の施設が2基の古墳で作られています。(写真3・4)
連絡先
四戸の古墳群調査事務所 070‐4458‐0363
写真1 集落の調査風景
写真2 墳丘上の円筒埴輪
写真3 石室入口付近1
写真4 石室入口付近2